ダンスで起こりやすいケガとは?ケガの種類と対策を解説!
ダンスは腕や脚、関節など、身体のさまざまなパーツを使って喜びや悲しみ、力強さなどを表現します。しかし、全身を使う激しい運動でもあることから、ケガのリスクも否定できません。そこで今回、ダンスで起こりやすいケガの種類と、それらを防ぐための効果的な対策方法をご紹介します。現在ダンスを楽しんでいる方はもちろん、これからダンスを始めようと思っている方もぜひ参考にしてみてください。
1.ダンスで起こりやすいケガの種類
ダンスをする方がよく経験するケガの種類は、主に以下のものがあります。
- ハンマートゥ
- かすり傷
- 関節炎
- 水ぶくれ
- 骨端炎
- 打撲
- 膝蓋軟骨軟化症
ここからは、それぞれの症状について見ていきましょう。
1-1.ハンマートゥ:足の指が曲がった状態
ハンマートゥは、足の指がハンマーのような形に曲がってしまう状態のことです。このケガは、足の指に過度な圧力がかかることで発生します。たとえばタイトな靴を履いていると、足の指に負荷がかかり過ぎて変形や痛み、さらには魚の目やタコといった皮膚のトラブルにまで発展します。
1-2.かすり傷:皮膚の層の一部が擦りむけた状態
素足で踊ったり、床との摩擦が多い動きをしたりすると、皮膚の表層が擦れてしまうこともあります。とくにモダンダンスやコンテンポラリーダンスなどでは、床で足を滑らせたりこすったりする動作が多く、かすり傷の発生リスクが高くなります。ダンスによるかすり傷は激しい痛みを伴い、感染症のリスクもあるため、早めの処置が重要です。
1-3.関節炎:関節に生じる痛みや腫れ
関節炎は、関節に炎症が発生している状態で、痛みや腫れ、こわばりなどの症状が現れます。関節炎には、主に以下の種類があります。
- 関節リウマチ
- 骨関節炎
- 細菌性関節炎
- 痛風
このうちダンサーによく見られるのは、変性の関節疾患である骨関節炎です。
1-4.水ぶくれ:水分が皮膚の下に溜まるケガ
水ぶくれは、水分が皮膚の下に溜まっている状態のケガです。水ぶくれの状態が続くと、やがて皮膚が破れてしまい、激しい痛みに襲われます。また、色素沈着やシミのようなあとが残ってしまうこともあります。
1-5.骨端炎:子どもに多い骨端軟骨の炎症
骨端炎は骨端軟骨が傷ついて炎症を起こすケガで、10〜15歳の成長期の子どもに多く見られます。ジャンプやターンなどの動作でかかとに負荷がかかり、骨端炎を引き起こします。体重をかけるだけで痛みが出ることもあるため、注意が必要です。
1-6.打撲・捻挫:身体の軟部組織の損傷
打撲や捻挫は、身体の軟部組織が損傷するケガで、外見や骨への影響はありません。打撲や捻挫は、とくにジャンプなどのアクロバティックな動きをするダンサーに多く見られます。ジャンプから着地する際、脚には体重の4倍もの負荷がかかります。負荷を軽減する着地方法を習得しないままジャンプを繰り返すと、打撲や捻挫を引き起こしてしまうかもしれません。
1-7.膝蓋軟骨軟化症:ダンサーに多い膝のケガ
ダンスはステップやジャンプを頻繁に繰り返す運動であり、膝への負担がかかります。その結果、膝へ深刻なダメージを与えて、膝蓋軟骨軟化症を引き起こすことがあります。膝蓋軟骨軟化症は「ダンサーズニー」とも呼ばれ、ダンサーに多く見られる膝のケガです。
2.ダンスで起こりやすいケガの対策
ここでは、ダンスで起こりやすいケガの原因と対策をご紹介します。事前に対策を講じることで、ケガのリスクを低減できますので、ぜひ取り組んでみてください。
2-1.ハンマートウ:ストレッチや専用のパッドを取り入れる
ハンマートゥの原因としては、以下のことが挙げられます。
- 遺伝的要因
- つま先が狭い靴や高いヒールなど間違った靴を履く
- 足の筋肉の不均衡や内くるぶしが内側に倒れ込むアライメント異常
- 関節の炎症や損傷
- 糖尿病や神経障害
ダンスでは、ダンス中の激しい動きや、足に合わない靴を履いていることが症状を引き起こす要因と考えられます。
そこでハンマートゥの予防には、以下の2点が大切です。
- 足の指のストレッチやエクササイズ
- 足に指専用のパッドを使用する
ストレッチで足の指の柔軟性を高め、エクササイズで足の指の筋肉を強化できます。さらに、専用パッドで足の指にかかる圧力を軽減し、足の指の変形を防げます。また、足に合った靴選びも重要です。足指が自由に動けるように十分なスペースのある靴を選び、過度な負荷をかけないようにしましょう。
2-2.かすり傷:サポーターを使用する
かすり傷は、ダンス中の床や衣類との摩擦が原因で起こります。前述のように、素足で踊るダンサーが頻繁に経験するトラブルです。かすり傷を防ぐためにはサポーターを使用して、擦れやすい部分を保護することが効果的です。
2-3.関節炎:筋トレと関節を守るケアをする
関節炎は関節を酷使したり、無理な動きを繰り返したりすることが原因で、炎症や痛みが発生します。関節炎の予防法は、以下の3つが挙げられます。
- 筋肉を鍛える
- 関節を冷やさない
- 関節に負担がかかる動作を避ける
関節を動かさないと周囲の筋肉が弱くなり、可動域が狭まります。そこで、筋トレで膝周りの筋肉を強化することが重要になります。また、鍛えた筋肉が固まらないようにするため、ストレッチや水中ウォーキングで筋肉を柔軟に保ちましょう。
関節は、基本的には冷やさず温めることが大切です。しかし、炎症がある場合は、温めると炎症を悪化させますので、冷やすようにします。急な動きや無理な姿勢は、関節に負担をかけやすいので注意が必要です。とくに膝の関節を痛めている場合には、急に立ち上がったり、ダンスの途中で急に止まったりする動作は避けましょう。
2-4.水ぶくれ:下着や靴のサイズを見直す
水ぶくれは皮膚の表面と靴や衣類が擦れ合い、水分が皮膚の下に溜まることが原因で発生します。対策としては、まず着用している下着や靴が自分に合っているか確認しましょう。できてしまった水ぶくれは軽い刺激でも破れてしまうため、不要な皮膚は清潔なはさみで切除しておきましょう。
また、水ぶくれの処置に関しては、消毒や薬を使用すると自然治癒力が低下してしまうこともあるため、絆創膏などで覆うだけのケアがよいでしょう。皮膚を保護した上で自然治癒力に任せることが、皮膚の再生能力を高めることにつながります。
2-5.骨端炎:アキレス腱や足底腱膜のストレッチをする
骨端炎を予防するためには、アキレス腱や足底筋膜のストレッチが重要です。運動前後やお風呂上がりにストレッチを行い、アキレス腱や足底筋膜を柔らかく保ちましょう。
アキレス腱のストレッチは、直立姿勢から片脚を後ろに引き、アキレス腱とふくらはぎを伸ばします。骨盤が壁と水平になるように意識し、片脚を後ろに引いてかかとを床に押し付けます。反対側の膝を壁に近づけるように曲げ、この姿勢を90秒キープしてふくらはぎとアキレス腱を伸ばしましょう。
足底筋膜のストレッチは、硬くなった足底筋膜や足裏の筋肉をほぐす方法です。ゴルフボールやテニスボールを足の裏に置き、転がすようにしてマッサージします。そのまま、痛みを感じる箇所で90秒キープしましょう。
2-6.打撲・捻挫:転倒しにくい身体作りをする
打撲や捻挫は、主に転倒によって発生します。ウォーミングアップや足腰の筋肉強化を行い、転倒しにくい身体を整えることが重要です。
筋肉が硬いまま急に運動を始めると転倒しやすくなるため、ダンス前のウォーミングアップは入念に行いましょう。また、テーピングやサポーターで足首を固定するとケガの予防になり、膝あてなどを装着することで打撲を防げます。さらに、あわせてスクワットで足腰を鍛えて、転倒しにくい身体を作りましょう。
2-7.膝蓋軟骨軟化症:ランジや中殿筋のトレーニングを行う
膝蓋軟骨軟化症の予防には、膝の左右のブレを防ぐトレーニングが重要です。具体的には、ウェイトトレーニングのひとつである「ランジ」がおすすめです。まず片足を前に踏み出して膝を曲げ、後ろに残した足を伸ばします。その体勢で身体を上下に動かしていきますが、この時膝が内側や外側に開き過ぎていないか、つま先より前に出ていないかをチェックしましょう。
加えて、膝への負担を減らすために中殿筋を鍛えます。上半身を動かさず、股関節を真上に引き上げるようにトレーニングをすると効果的です。
3.まとめ
ダンスで起こりやすいケガとして、主にハンマートゥやかすり傷、関節炎、水ぶくれなどが挙げられます。しかし、適切な対策を講じれば、ケガのリスクを減らすことが可能です。ストレッチで柔軟性を養ったりエクササイズで筋力を高めたり、靴のサイズを再チェックしたりしてケガを予防し、楽しく充実したダンスライフを送りましょう。
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